合宿の計画で、幹事がいちばん最初に上から聞かれるのは「で、いくらかかるの?」です。ここで「だいたい100万くらいですかね…」と総額から答えると、たいてい話がこじれます。予算は総額からではなく、内訳から積む。この記事では、1泊2日の企業合宿の費用を部品に分解して、そのまま使える早見表にしました。
先に結論——内訳早見表(1泊2日・一人あたり)
| 項目 | 一人あたり目安 | メモ |
|---|---|---|
| 宿泊(1泊2食) | 9,000〜15,000円 | ホテルは高め、民宿・研修施設は抑えめ |
| 会場(会議室) | 1,000〜3,000円 | 部屋代の人数割り。宿泊とセットなら0円のことも |
| 交通(貸切バス往復) | 5,000〜10,000円 | 中型バス1日13〜15万円を人数で割る。多いほど安い |
| 食事の追加分 | 3,000〜6,000円 | 昼食2回+懇親会の上乗せ。膨らむのはここ |
| プログラム(研修・体験・講師) | 4,000〜10,000円 | 合宿の成果を決める部分。削ってはいけない |
| 予備費 | 小計の10% | 雨天変更・人数増減・備品 |
| 合計 | 25,000〜45,000円/人 | 30名なら総額75〜135万円 |
会場のタイプ別の総額感(都心会議室型・リゾートホテル型・研修施設型・アウトドア型)は、場所の比較記事に詳しくまとめています。この記事では「内訳の考え方」を続けます。
宿泊——「寝る場所」より「起きている時間」にお金を
宿泊は内訳の最大項目ですが、実は合宿の成果への寄与はいちばん小さい項目です。参加者が部屋にいるのは、寝ている時間だけだからです。シングル個室のグレードを一段落として、その分をプログラムや食事に回す——これが合宿予算の基本の采配です。ただし相部屋にする場合は事前アナウンスが必須。当日発表は不満の火種になります。
会場——「宿泊とセットか」で大きく変わる
都心の貸会議室は半日3〜10万円/室。一方、研修施設や合宿型の会場は宿泊料金に会議室が含まれていることが多く、ここが実質0円になります。見積を比較するときは、「会議室は別料金ですか?」を最初に聞くと、総額の比較がずれません。プロジェクター・ホワイトボード・Wi-Fiの有無もこのタイミングで確認します。
交通——人数が増えるほど、一人あたりは安くなる
貸切バス(中型・首都圏発着)は1日およそ13〜15万円。30名で往復をチャーターすると一人あたり9,000円前後、40名の大型バスなら7,000円台まで下がります。少人数(〜10名)なら電車+現地送迎の方が安いことも多い。そして意外に見落とされがちですが、バスの車内はそのまま「前夜祭」になります。移動をコストと見るか、プログラムの一部と見るかで、選択は変わります。
食事——予算が膨らむのは、いつもここ
宿の2食以外に、昼食2回と懇親会の強化分がかかります。懇親会を外部の店やケータリングで豪華にすると、ここだけで一人1万円を超えることも。おすすめは、お金をかける食事を1回に絞ること。全部の食事を平均的に良くするより、「初日の夜だけ土地のものを囲む」方が記憶に残ります。
プログラム——削ってはいけない、唯一の項目
予算が厳しくなると、真っ先に削られがちなのが研修プログラムや体験の費用です。でもここを削ると、残るのは「宿泊と宴会」——つまりただの社員旅行です。合宿の目的が議論でもチームビルディングでも、成果を生むのはプログラムであって、宿の枕ではありません。外部の研修会社に一日任せると一人8,000〜15,000円、現地の体験プログラム(自然体験・ワークショップ型)なら4,000〜10,000円が相場です。
予算が通らないときの、正しい削り順
- 交通——バスをやめて電車+現地集合に(一人数千円下がる)
- 宿泊のグレード——個室→相部屋、ホテル→民宿・研修施設へ
- 食事——豪華にする回を1回に絞る
- プログラムは最後まで残す——ここを削るくらいなら、参加人数か泊数を見直す方が健全です(人数の決め方・泊数の決め方はそれぞれ研究付きでまとめています)
見積書で確認すべき3点
- 税表記——税別と税込が混ざった見積は、最後に必ずずれます。総額は税込で揃えて比較
- キャンセル規定——何日前から何%か。社内事情での延期は普通に起きます
- 人数変動の扱い——「前日までの減員は無料」かどうか。当日欠席の請求条件も
ちなみに村合宿では、お見積りの段階でこの内訳(宿泊・食事・体験・企画料)をそのまま開示しています。宿泊費は企業と宿の直接契約なので、宿の売上は100%村の宿に入り、私たちは企画と当日の伴走で対価をいただく——内訳が透明であることは、稟議を通す側にとっても武器になるはずです。