村合宿マガジン / 経営合宿の場所選び
幹事の実用ガイド

経営合宿の場所選び——ホテルの会議室で決まらない議題があるなら

二〇二六年七月一九日 | 文・山田拓実(村合宿コンシェルジュ)

経営合宿の議題は、ふつうの会議と質が違います。来期の数字ではなく、「うちは何のためにある会社なのか」「この事業を続けるべきか」——正解のない、重い問いです。そして経験上、この種の議題は場所を間違えると一ミリも進みません。日常の延長にある場所では、日常の延長にある答えしか出ないからです。

経営合宿の場所選び、5つの基準

1. 遮断性——「戻れない」こと

都心のホテルの弱点は快適さではなく、戻れてしまうことです。午後の急ぎの連絡で一人抜け、夕方に一人帰り、気づけば合宿が「出席率の低い長い会議」になる。物理的に少し遠い場所を選ぶのは、移動時間の無駄ではなく退路を断つ投資です。

2. 人数は7人まで

意思決定の場は7人を超えると1人ごとに効果が約10%落ちる——Bainの研究が示す「7人の法則」です(詳しくは合宿の最適人数の記事に)。経営合宿は「呼ぶべき人」ではなく「決められる人」だけで。

3. 議題と風景を合わせる

コスト削減の議論なら会議室でいい。しかし10年後の話をするなら、10年単位の時間が流れている場所がいい。森、海、村——人間は環境から思考の時間軸を借ります。壁とホワイトボードからは、四半期の発想しか出てきません。

4. 夜の設計があるか

経営合宿の本当の合意は、会議ではなく夜に生まれます。役職が外れる装置——囲炉裏、焚き火、狭い食卓——がある場所を選ぶこと。宴会場の「豪華な飲み会」では、昼の会議の続きにしかなりません。

5. 携帯の電波より、Wi-Fiの質

逆説的ですが、僻地でも会議設備は妥協しないこと。資料が開けない・オンラインに一瞬つなげない場所は、議論そのものを止めます。「圏外の秘境」は経営合宿には向きません。

場所タイプ別の正直な評価

場所向く議題弱点
都心ホテル・貸会議室数字の詰め・資料中心の討議遮断性ゼロ。日常の延長
リゾートホテル(熱海・箱根等)表彰やねぎらいを兼ねる合宿快適すぎて緊張感が残らないことも。費用は高騰中
貸別荘・ヴィラ少人数で密度高く。自炊が一体感に会議設備は自前。当たり外れが大きい
村・地域滞在型前提を問い直す議論。事業の原点回帰ホテル水準の客室はない。30名まで

村で経営合宿をするということ

手前味噌を承知で書くと、私たちが山梨県小菅村で運営する村合宿には、経営合宿向きの偶然が揃っています。廃校の教室という「思考の時間軸が長くなる会議室」、人口620人の村を経営してきた村の実例、囲炉裏と焚き火という夜の装置。そして携帯は通じ、公民館にWi-Fiがあります。ホテルの会議室で3回やって決まらなかった議題は、場所を変える合図かもしれません。

決められる7人で、村へ。——ご相談は無料です。

ご相談・お申し込み
山田 拓実
村合宿コンシェルジュ/MONOGATARI. 代表。企業と村の間に立ち、企画から当日の案内までを担当。