村合宿マガジン / 小菅村完全ガイド
村の一次情報

小菅村 完全ガイド——遊ぶ・食べる・浸かる・泊まる、この一本で全部わかる

二〇二六年七月二四日 | 山田拓実

新宿から車で約2時間。多摩川の一滴目が生まれる山あいに、人口約700人の村があります。山梨県北都留郡・小菅村。コンビニはありません。かわりに、樹上10メートルのアスレチックと、源流の沢と、村発のクラフトビールの醸造所と、高アルカリ性の温泉と、縄文スタイルの竪穴住居に泊まれるキャンプ場があります。

この記事は、村合宿の下見で何度も小菅村に通っている筆者が、「これを読めば小菅村のおすすめが一通りわかる」を目指して書く完全ガイドです。遊ぶ・食べる・浸かる・泊まるの4章立て。合宿の幹事にも、週末の小旅行にも、そのまま使えます。

フォレストアドベンチャー・こすげの樹上コースを進むグループ
写真:フォレストアドベンチャー・こすげ公式サイトより

まず全体像——村の歩き方

エリア何がある所要の目安
道の駅こすげ周辺フォレストアドベンチャー・こすげ/小菅の湯/物産館・源流レストラン半日〜1日。村の「へそ」。遊んで、食べて、湯に浸かるが徒歩圏で完結
川沿い・集落THE FAR YEAST Beer Adventure(醸造所)/kadoya/廣瀬屋旅館夕方〜夜。飲んで泊まる
源流方面多摩川源流体験/原始村キャンプ場(竪穴住居・テントサウナ・ジビエBBQ)半日。いちばん「村の奥」を感じるエリア

ポイントは、主要スポットがすべて車で10分圏内に収まっていること。移動で消耗しないので、1日に「樹上→温泉→ビール」を詰め込んでも無理がありません。

第1章 遊ぶ——樹上、源流、山道

フォレストアドベンチャー・こすげ|地上10mの本気アスレチック

村の森をそのまま使った樹上アスレチックパーク。2013年オープン、フランス発「フォレストアドベンチャー」の日本で13番目のパークです。ハーネスを着けて樹から樹へ、丸太橋・ネット・ターザンロープを渡っていくアドベンチャーコース(身長140cm以上または小学4年生〜)と、お子さん向けのキャノピーコース(身長110cm〜)の2本立て。

樹上コースを渡る大人のグループ
写真:フォレストアドベンチャー・こすげ公式サイトより

大人がやっても、というより大人こそ本気になります。地上10メートルでは役職も年次も関係なく、装備を確かめ合い、声を掛け合わないと前に進めない。この構造がチームビルディングに効くことは別の記事で研究ごと検証したとおりです。フィナーレの100mを超えるジップスライドは、森を滑空する村随一の絶景アトラクション。

ジップスライドで森を滑空する参加者
写真:フォレストアドベンチャー・こすげ公式サイトより

多摩川源流体験|東京の水の「一滴目」で遊ぶ

東京の水道水の源、多摩川。その始まりの沢に入って、ガイドと一緒に歩き、泳ぎ、飛び込む体験です(約3時間・4〜15名・1人8,800円)。都会の川のイメージを裏切る透明度で、夏でも水は刺すように冷たい。「東京の水の一滴目に触った」という体験は、話のネタとしても一級品です。

木漏れ日が差す多摩川源流の沢
写真:kadoya公式サイトより

MTBツアー|山道を風で下る

ガイド付きのマウンテンバイクツアー(約3時間・1〜6名・1人4,000円〜、E-bikeレンタルあり)。村の林道と集落を、自分の脚で巡ります。アスレチックより体力に自信がない人の選択肢としても優秀。

第2章 食べる——ビール、ジビエ、源流の蕎麦

THE FAR YEAST Beer Adventure|村で醸すクラフトビールの聖地

「Far Yeast Brewing」——国内クラフトビール界で知らぬ者のいない醸造所が、小菅村にあります。醸造所併設のタップルーム「Beer Adventure」では、できたてのビールと本格ハンバーガー(1,380円〜)が楽しめる。夜はテラスを貸し切って、焚き火を囲みながらフリードリンク(5,000円〜)という使い方もできます。合宿の夜会がここで開けるのは、正直ずるい。

焚き火が本音を引き出す理屈は火の心理学の記事でどうぞ。

原始村 ランチBBQ|ヤマメと鹿肉のジビエコース

源流エリアのキャンプ場「原始村」のBBQは、よくある「肉と網」ではありません。ヤマメのほぐし飯、鹿肉のアヒージョ、鹿肉のサラダ、刺身こんにゃく——村の山と川がそのまま皿にのったコース(1人3,500円〜)。ここでしか食べられない味、という点で村内随一です。

小菅の湯「ひのき」|温泉とセットの定食

温泉施設・小菅の湯の食事処。ヤマメや地の野菜を使った定食が1,300円〜、予約すれば団体の昼食にも対応してくれます。持ち出しできる弁当(800円〜)もあり、合宿の昼食はここに頼むのが定番です。

小菅の湯の郷土料理の御膳
写真:多摩源流 小菅の湯公式サイトより

道の駅こすげ|石窯ピザと村の物産

フォレストアドベンチャーの隣、村の玄関口。源流レストランの石窯ピザ、物産館の鹿肉ソーセージやわさび、山の野菜。お土産はここで一括調達できます。

第3章 浸かる——多摩源流 小菅の湯

遊んだあとは温泉です。小菅の湯は高アルカリ性の湯で、肌がぬるりとする独特の浴感から「美人の湯」と呼ばれてきました。内湯・露天・寝湯にサウナ。アスレチックからも道の駅からも徒歩数分という配置が見事で、「遊ぶ→食べる→浸かる」が半径200mで完結します

小菅の湯の内湯
写真:多摩源流 小菅の湯公式サイトより

第4章 泊まる——新しい宿、老舗の旅館、縄文の家

kadoya|2026年7月開業、村の「ロビー」

2026年7月にオープンしたばかりの素泊まり宿。全7室(1〜4名)、1階はカフェとランドリーを備えた「村のロビー」として設計されていて、村民と旅人の生活が交差する場になっています。デザインは都市のホテル水準、窓の外は村。新しい小菅村の象徴です。

山を背にしたkadoyaの外観
写真:kadoya公式サイトより
kadoya一階のカフェスペース
写真:kadoya公式サイトより

廣瀬屋旅館|団体をまるごと受け止める老舗

村の中心にある旅館。新館を含めて約30名、別館まで使えば約50名が泊まれる村内最大の受け皿で、宴会場もあります。合宿や研修で村に泊まるなら、まずここが軸になります。

原始村キャンプ場|竪穴住居とテントサウナ

そして小菅村でいちばん珍しい宿がこれ。縄文スタイルの茅葺きの竪穴住居に、本当に泊まれます。バンガロー・テントサイトのほか、テントサウナもあり、サウナ→源流の沢で水風呂、という原始的で最高の整い方ができる。

紅葉の山を背にした原始村の竪穴住居
写真:原始村キャンプ場公式サイトより
原始村そば処の窓から見える新緑
写真:原始村キャンプ場公式サイトより

モデルコース

日帰り(車)

  1. 9:30 道の駅こすげ着、フォレストアドベンチャーで樹上2時間
  2. 12:30 小菅の湯「ひのき」で定食
  3. 14:00 多摩川源流体験 or MTBツアー
  4. 17:00 小菅の湯で汗を流す
  5. 18:30 Beer Adventureで一杯やって帰路へ(運転手はノンアル源流ペールエールならぬ源流の水で我慢…ここだけは泊まりが勝ちます)

1泊2日(合宿仕様)

  1. 1日目午前 フォレストアドベンチャーでチームビルディング
  2. 午後 会議・ワークショップ(振り返り込み)
  3. Beer Adventure貸切、テラスで焚き火を囲む
  4. 宿泊 廣瀬屋 or kadoya
  5. 2日目 源流体験→小菅の湯→昼食して解散

アクセス

まとめ——小さいことが、武器になる村

小菅村のすごさは、有名な観光名所があることではありません。樹上・源流・ビール・温泉・縄文の家が、ぜんぶ車で10分圏内にあることです。人口700人の小ささが、「村まるごと」を1日で味わえる密度に化けている。だから週末の小旅行にも、チームの合宿にも効く。まずはこの記事のモデルコースを、そのままなぞってみてください。

料金・営業時間は2026年7月時点の情報です。おでかけ前に各施設の公式サイト(フォレストアドベンチャー・こすげ小菅の湯THE FAR YEAST原始村kadoya廣瀬屋旅館道の駅こすげ)をご確認ください。本記事の写真は各施設の公式サイトから、紹介目的で掲載しています。

この村を「会議室」にするのが、私たちの村合宿です。施設の手配から当日の案内までまとめてご一緒します。

ご相談・お申し込み
山田 拓実
村合宿コンシェルジュ/MONOGATARI. 代表。企業と村の間に立ち、企画から当日の案内までを担当。